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会長挨拶

新日本全国地域活性化協会は、持続可能な社会をつくることを目指しています。

   

 戦後、日本は目覚ましい経済発展を遂げました。しかし、日本全体にきちんと目をむけてみると発展しているのは東京、大阪、名古屋などの大都市だけで、地方は衰退の一途をたどっています。この傾向は今後、ますます顕著なものになり東京の一極集中となっていくでしょう。2050年は人口の6割近くが首都圏・中京圏・近畿圏の3大都市圏に、うち、3割以上が首都圏に集中、一方で過疎の進む地域では人口の6割が減少するとも言われています。
 また、身近なところに目をけてみると、八百屋さんや魚屋さん、まちの電気屋さんなど昔ながらの町の商店が減り、ショッピングモールなど巨大施設が増え続けています。昔の賑わいを保っている商店街は現在日本にどれだけの数が残っているのでしょうか。
 私達はこれまで効率性を求め一極集中の「大きなもの」を追い求めてきました。しかし、その結果として何が起きたでしょうか。4大公害病をはじめとする数々の健康被害、不動産バブル崩壊による長期デフレ、原子力ムラと呼ばれる巨大利権団体の体質をさらした原発事故など、現代社会が抱える社会的問題の多くは「大きいもの」を追い求めた結果ではないでしょうか。
 ここ数十年の間に巨大ゆえの脆さが明らかになってきました。巨大さゆえに何かあったときの被害が大きく、また、急激な変化への対応が遅くなってしまうからです。話が飛躍するかもしれませんが、かつて地球を支配していた恐竜はその巨体さゆえに、急激な環境の変化に対応できずに絶滅したとも言われています。
 社会全体の閉塞感、政治への不信感、大企業へ信用失墜など、私達が追い求めてきた社会(「大きいもの」を追い求める社会)の在り方は、多様化し急激に変化する現代社会のなかで大きく揺らいでいます。
 一方、規模の小ささは、大きな利点となります。地域の課題、社会の変化に素早く対応していくことができるからです。私達はコミュニティーとの密接な結びつきをもち、多様性を確保したなかで地域経済の自立性を高め、現代社会の問題に取り組んでいきます。

                         
会長  藤田 武彦

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